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■金持ち喧嘩せず
お金持ちの中には、人を騙すような商法であくどく稼ぎ、そのうえ、お金を出すべきときにも出さず、倹約とケチの一念で、お金を残す人もいますが、そういう人は、心に余裕やゆとりがなく、常に人から盗まれるのではないかと疑心暗鬼で生活をしているのでしょう。
一方では、貧しくても、常に広い見識と視野を持ち、尊敬に値する人も大勢いるのも事実です。
ただ、それでもお金持ちと呼ばれるような人は、欲しいものはいつでも手に入るし、イザというときにも困らないだけのお金がありますので、精神的に余裕がある人が多いのは間違いありません。
「金持ち喧嘩せず」ということわざがありますが、まさにその通りで、お金持ちは金にものを言わせて、強引に問題を解決することはなく、何ごとも穏便で理性的に解決しようとして、引いたり押したりするものです。
それは心に余裕があるからではなく、喧嘩は勝っても負けても得することがないことを知っているからです。
われわれが組織で仕事を進める場合でも、明らかに相手に非があっても、それのみを主張して勝つようなことはしないではないですか。
たとえ1回の議論で勝っても、今後の仕事に差し支えることが目に見えているからであり、そこそこ妥協して折り合うのが普通です。
何かの原因で対立した場合、お金持ちは利を得ることに長じているので、他人と争うだけ無駄と感じているし、損することがあっても儲かることはないと確信しているのです。
このことは、たとえお金持ちでなくても見習うべきです。
人は、恋人に振られたとか、仕事上でミスがあったとか、あるいは健康不安などがあれば、とたんに心に余裕がなくなるものですが、たとえお金がなくても日々の生活に潤いがあれば、喧嘩しなければならないような事件に直面しても、冷静に対処し、無駄な時間の浪費しないことです。
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