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■人には聞きづらい、本当のところの葬儀の値段人生最後の儀式、葬式。最近は自分好みの葬式を生きているうちに予約したり、遺言で指定したりする人もいますが、やはりまだまだ少数派です。多くのケースでは、残された家族の考えで行われることになります。 葬儀費用は、長い間不透明な部分が多いとされてきました。 なにせ家族を亡くしたばかりの人がお金を出すのだから、冷静な判断ができない場合もあります。葬儀費用を値切るなんて、薄情な人間だと思われたりバチ当たりだと思われそうな気がして、費用を安くおさえようという意識が働きにくくなってしまいます。 一部の業者はそうした心理をうまく利用して、法外なセット価格を提示し、マージンを稼いできたのです。
とくに聞いて驚くのが棺桶の価格。棺桶の価格は7万〜300万円とまさにピンキリなのですが、多くの場合は最低ランクのひとつ上の、桐を用いてとくに彫刻などを施していない、10万円前後の商品が選ばれているのです。 しかし、本材としての原価はたったの3000円程度です。そこに組み立て加工費が乗り、葬儀社には1万5000円前後で卸されています。葬儀社は棺桶に遺体を入れたり、死に装束を施したりするサービスも提供しますが、10万円に対する原価率は低いです。 そもそも棺桶が10万円することなど、葬儀を発注した遺族はよくわかっていないことも多いです。葬儀費用は棺桶だけでなく、祭壇や幕などの設置、霊柩車の手配、葬儀の仕切り、弔問客へのお清めなどすべてが含まれているからです。
葬式はすべて葬儀会社にまかせきりのため、どうしてもセットプランで考えがちです。全国の葬儀費用の平均は150万円超。しかもこれは、僧侶などへのお礼や墓地、墓石、仏壇などを含まない額なのです。 葬儀でお金をおさえるには、葬儀社に事前に予算を伝えることです。 また、地方自治体が死亡届を受理する際にくれる葬儀券のなかからムダな費用のない最低ランクのものを選べば、費用はぐっと絞り込めるはずです。 最近は不透明な慣行に穴を開けるべく、イオンなどの大手資本も葬儀ビジネスに参入し、明瞭な会計をアピールしています。 |
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